obakeshin

ある日、すずちゃんは、家でかくれんぼをしていました。
夕方になってもすずちゃんはかくれんぼをやめようとしません。

もう一回。もう一回。

せいちゃんという子がたまりかねて、ひとつの提案をしました。
「柱時計が5つ鳴り終わるまで隠れていたら好きなものをあげるよ」
オニになったせいちゃんは、2階の古いトランクの隙間から、見覚えのあるすずちゃんのキーホルダーがはみだしているのをみつけました。
 
すずちゃんみーっけ。

そう声に出そうとしたのを呑み込みました。 せいちゃんは、はみ出しているキーホルダーをそっと切りました。そうすれば、誰もこの­中にすずちゃんが隠れているとはわからないはずだ。 すずちゃん以外の全員をみつけました時、誰かが大きな声を出しました。

「こんなところにトランクがある!」

誰かがふざけてトランクをつま先で押しました。すると、トラン クは面白いように転がり、せいちゃんが立ちすくむ目の前で、 真っ逆さまに階段を転がり落ちていきました。
 
それ以来、その家では奇妙な現象が起こるようになりました。夜 になると、子供の声が聞こえてくると言うのです。

もういいよ......。もういいよ......。

すずちゃんのかくれんぼはあの時のまま、まだ終わっていません。 

すずちゃんが、今もあなたを待っている…。